舞台創作劇の世界
小さな舞台にある世界を出現させて、演じる側も観る側も共通の疑似体験をする。そこに共感や
感動がうまれる。それが演劇と理解している。演劇に憧れながら、その世界に飛び込まなかった後悔はずっと引きづって、ことばやボディムーブメント、歌、詩、語り、絵画、写真、衣装、アクセサリー、化粧、など全ゆるジャンルに表現という観点で関心と注目を寄せてきた。
そんな中、「思考動物」という劇団の公演に関わって、12月11-13日通して新井薬師の小スタジオに詰めていました。「思考動物」という劇団の公演に戦後70年を期して、若手女性演出家と若い俳優達が当時の世相を描く公演企画に、戦争世代として放っておけず協力を申しでました。私は、ただ茨木のり子の詩を読むだけでしたから、待ちが長くて、確かにしんどい体験でもありましたが。
公演は、『戦争x文学』から3作品(吉野せい『鉛の旅』/結城信一『鶴の書』/田辺聖子『文明開化』)を土台に描いた2時間半で、構成、描写、インパクト共に表現の力強さに感動の舞台でした。
演出は新人にあたる小柄な女性演出家の構えたり、大声をあげるでもなく、しなやかに取り仕切ってしまう力量に、新しい日本を展望する思いがして心の内で快哉を叫びました。願わくは、東北をはじめ各所での公演につなげて、戦後70年をたどり、今を見据える「場」を展開できればという思いに浸っています。いいアイディアがありましたら、お聞かせ下さい。