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夏休み中の友カフェ便り


「友カフェの来歴」

 バブル経済がはじける以前、所属していた人材育成事業の一環で、企業人相手に勉強会、研究会を数年間開催していました。1990年代中盤、バブル崩壊にあわせた事業撤退で独立し、有限会社を興しましたが、その過程で、一メンターの助言を受けました。会社運営のノウハウ以前に、忘れられないメッセージがあります。「ある人はこう言っている、あの人の考えは…」と他者を持ち出さずに、自分の考えでものを言えるようにということでした。同時に、外からの受信を待つのでなく、発信側に回れということばでした。今となっては、いずれも民主主義の基本だと分かります。社会のなかの自分の立ち位置、社会をどう見るかの目を養うことの大切さです。

 事業運営の才覚、販売能力ともに、自らの凡庸さを自覚していますが、友カフェのような小さなグループ運営も同様です。集団(社会)を機能させるのは「人」ですね。一定の人数が集まって、気持や意識を共有する土壌が育てば、相応の協力や知識、知見からシナジー効果が生まれてくるという期待で、目標もたてましたが、思うように実現にこぎつけないまま歳月だけが過ぎ、「対話と学びのカフェ」は7年を経ました。多くの協力を得ることができたのは幸いでしたが、対話と学びの先に実をならせ、花を咲かせたい思いへの実現は容易ではありません。参加への関心意識は無論ですが、自らの声の発信、そして実践へと小さな波動が起きて、つながっていくというビジョンが幻影のまま萎まないようにするには、エネルギーを充電してカフェ継続につとめるつもりです。

 今、世界も日本社会もおかしな鳴動を感じて、揺らいでいるのが気になりますし、不安を

かき立てます。世界史の不の遺産、グローバル化のつけが報復というテロ行為や異文化排除、

核兵器の分散、経済格差と貧困、地球温暖化など、つながって渦をまいている感じです。危機意識は必要ですが、同時に、人間的な信頼感、他者への思いやり、配慮は根本的に不可欠であって、それらの要素をどう大事に育み続けるか私たち一人一人に与えられた命題でしょう。その為にも、まず、不安や疑心暗鬼に対して正しい知識を持って対処することが問われます。例えば、ISのテロは残忍非道だと糾弾する前に、ISの正体、発生の由来と共にその全体像を把握した上で、初めて、どう対応できるか考える糸口が見つかるのでしょう。いずれにせよ、この厄介な事態にいつ、どう決着をつけられるかは予測不可能ですが。

 友カフェの今年のテーマは種々の課題を歴史を通して認識し、新たな局面を探ることにおきました。私たちの生命が代々DNAを受け継いでいくように、社会事象も長い歳月をへて現象化し、影響を及ぼします。社会や生活が落ち着かなくなるほど、種々の局面で歴史観の大切さを感じます。「歴史は繰り返す」という諺があります。無知の上に、何かを判断するのは罪といえるでしょう。この夏休みは、図書館でも、アマゾンの中古本でも、関心を呼ぶ書物を読み漁るつもりです。最近の一冊でお薦めは、「ニュースのなぜ?は世界史に学べ―日本人が知らない100の疑問」茂木誠著(SB新著)です。水の流れのつまりが治った時のようにすっきりでき、お薦めです。


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