ことばのまやかし
「ことばの力学ー応用言語学への招待」(白井恭弘著 岩波新書)は無意識へ働きかけることばにからむ問題を解き明かしている点で面白く読めるのでご紹介したい。
例えば、「除染」ということばには、情報操作の一種まやかしがある
という指摘だ。原発事故後には、「除染」ということばを繰り返し目にし、耳にする。その結果、除染をすれば問題が解決されるような幻想を与えるという。これは、言わないこと(放射性物質はなくならないという事実を言わないこと)が勝手な思い込みや解釈につながる効果を狙った「操作」であり、悪く言えば「洗脳」と呼べないことはない。油断できない。何事もうのみにせず、調べ、賢い判断をしなければなるまい。
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