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村上隆の五百羅漢は爆発だ

  • 2016年1月1日
  • 読了時間: 2分

 「芸術は爆発だ!」ということばを残したのは岡本太郎だが、村上隆の五百羅漢はまさに、爆発だった。長い間、村上を食わず嫌いしていた。目の大きいミニーのようなキャラクターが大々的に目に入った時、「ふざけるにも程がある」という一種の反感めいた感情を覚えたといったら、村上ファンにソウスカンを食いそうだ。あの、グッチのバッグを飾るほど国際的評価は高いものがあったのだろうが、子どもっぽいキャラクターのどこがどういいのが全くわからないままでいた。

 ただ、五百羅漢への関心から、村上羅漢はどんな風に描かれたのか覗こうと六本木の森美術館に行った。五百羅漢の石仏がある寺を巡ったり、狩野一信の五百羅漢の絵にはいたく感動した覚えがある。村上は芸大に現代美術を学び、博士論文のテーマは「意味の無意味の意味」という。アニメーターになれないと思い知って、大学の門をくぐったという。

 絵画とデザイン技法を縦横に駆使して誕生した作品は、アートということばの領域からはみ出て、まるで地球内部から噴出すマグマを思わせる。型に納まらない村上の才覚は、マグマを昇華させて独自の世界を創りだしていく。昇華は3・11を機に始まったようである。彼のことばの一辺にその背景を感じとることができる。「絶望からの復活には、何か希望のようなものを、いわば歴史の中に宗教や伝説といった形でみつけることができるかもしれない(註:記憶にたどったフレーズ)。」100メートルに及ぶ壁面に息づく村上ワールドの思わず笑いを誘う羅漢の表情や姿につり込まれ、白虎、青龍の凄まじい生きる力に息をのむ。圧倒された。3月はじめまで開催である。一見の価値は存分にある。


 
 
 

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